ある程度まとまった量の文章を書く場合には、「序論→本論→結論」という具合に、3部構成にすることを意識しながら組み立てると、まとまりがつきます。
仕事上必要とされるレポート、報告書、企画書なども、「序論→本論→結論」の流れで論を展開すると、内容をまとめやすくなります。
そして、レポート・報告書・企画書などは、作文やエッセイなどと違い、主観よりも客観性がより重要視されるので、主観と客観を混同しないように注意することが求められます。
●事実と事実でないことを混同しない
●根拠のない断定をしない
●部分だけを見て全体を判断しない
●例外的ケースを一般化しない
●手段が目的化するなど、本末転倒に陥らない
●論理を重んじ、感情を優先しない
↑以上の点に留意しましょう。
さて次に、「序論→本論→結論」、この3つのパートには、それぞれどのような役割があるのか、見ていきましょう。
【序論/導入部】
●これから述べようとすることの大事な点(論点)を示す。
●その論点に絞った理由、そして、どのような観点から論じていくかを、あらかじめ述べておくことも必要。
【本論/論証部】
●論点に関連する具体例を挙げていく。
●自分が見聞きしたことに加え、重要と思われる資料やデータ、人々の証言を引用するなど、多角的な考察と論証を展開する。
●主観的推測と客観的事実を混同しない。
●話に矛盾がなく、論理的に一貫していることが大事。
【結論/主張の要約】
●本論で展開した論証の中でも最も重要な部分を簡潔にまとめ、説得力のある主張(結論)へと導く。
●本論で述べたことの繰り返しに終始するのではなく、一段深めた考察を付加することが望ましい。
●論証により得られたこと(今後の課題、問題解決の方法など)を提案して「結び」とする。
実用文の場合は「結論先行」で
就活や婚活の自己推薦書・志望理由書といった実用文の場合も、「序論→本論→結論」の3部構成が有効です。
ただし、序論はできるだけ簡潔にまとめ、場合によっては省略したほうがよいと思います。
↑実用文においては、「とにかく大事なことから先に述べよ」と求められるからです。
その「大事なこと」というのが、「主張(結論)」です。
結論→その結論を導いた根拠・理由→まとめ
という流れで書いていくとよいですね。
箇条書き+図式化(フローチャート作成)
ビジネスの企画書や報告書は、ざっと目を通しただけで内容を把握できる書き方をすると喜ばれます。
それにはまず、これから述べようとすることをすべて、箇条書きしてみることをおすすめします。
次に、箇条書きした言葉を図式化(フローチャート作成)して、情報をグループ分けしてください。
企画書や報告書の内容により、どのようにグループ分けするかは異なりますが、基本はひとつです。
グループ分けの種類
①現状
②問題点
③原因・理由・根拠
④改善案
⑤将来展望
というように、情報を種類ごとに分け、「同じ種類のものをひとまとめにする」という方法に徹すればいいのです。
情報を整理することにより、これから述べようとすることの全体像が「見えて」きます。