名作の名書き出し
吾が輩は猫である。名前はまだない。(夏目漱石『吾輩は猫である』)
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。(川端康成『雪国』)
──というように、強烈な印象を残す一文から始めると、作品全体が命を吹き込まれたようになりますね。
私の小説にはそれがない!と気がつきました。
今から付け足してもいいよね、作品のクオリティ高まるよね、と勝手に決め込み、書き出しの「惹句」をひねっているところです。
すごくいいのが見つかるまで続行します。
魅惑の一文、出てこい出てこい!ひらめいて~!
と騒ぎ立てて3日後、こんなのを思いつきました。
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拙作『ドブ板トランジット』の書き出し
ヨコスカはタダで人をもてなすような気前のいい町ではない。金をむしりとることが鉄則だ。いやなら飲むな。そう言ってやるのも、ここでは歓迎のしるしになる。