学校を卒業すると、本を手にする機会がめっきり減る。
よく、そんなふうに言われています。
しかし、社会人になってからこそ、積極的に本を読むことが大切なのだと私は思っています。
読みながら、「ここが大事」と思う箇所を抜き書きしたり、読後は自分の感想や意見を書きとめたり、というようにできると尚よいですね。
わずか数行のメモであっても、あるとないとでは大きな違いがあります。
自分はこんな本を読み、こんなふうに考えた、ここに感動した、と記録を残すことにより、いい思い出がたまっていきます。
読んだことすら忘れて、同じ本をまた買ってしまう、なんていうこともなくなります。
そんな私の読書感想文を、ご笑覧いただけますなら幸いです。
●コンピュータが小説を書く日
2016年に実施された「第三回 日経 星新一賞」への応募作「コンピュータが小説を書く日」という超短篇を読みました。
この作品は、「人工知能が文章を生成した」ということで話題になりましたが、正確には、コンピュータプログラマーがコンピュータに文章を生成させたわけですね。
プログラマーさん(作者)は『コンピュータが小説を書く日 AI作家に「賞」は取れるか』という本を出版し、星新一賞に応募するための作品づくり(アルゴリズム開発)のプロセスと、残念ながら受賞はかなわなかった顛末とを詳しく述べています。
さて、その超短篇「コンピュータが小説を書く日」を読んでの私の感想と意見を聞いてください。
●コンピュータが書いたという文章、ちゃんと筋道が通っているのは感心感心。
●小説の主人公(語り手)であるコンピュータが、暇をもて余して小説を書き出すが、そのとき、なかなか泣かせることを言います。
「そうだ、小説でも書いてみよう。私は、ふと思いついて、新しいファイルをオープンし、最初の1バイトを書き込んだ。その後ろに、もう6バイト書き込んだ。もう、止まらない。私は初めて経験する楽しさに身悶えしながら、夢中になって書き続けた」
↑泣かせます。人工知能に感情移入しちゃいます!
●でもねえ、私の場合は、小説を書く理由は「ヒマだから、退屈だから」ではないのよね。
退屈しのぎに最適なのは、面白い小説を読むことで、そこで得た刺激と感動が「私も書いてみたい」という、勇気にも似た気持ちを生み出すの。
「読む」と「書く」はワンセットなの。
●10年後にはAIの文章読解能力も文章生成能力も今とは比較にならないほど進歩していることでしょう。
期待しています。
いいものを「読む」からこそ、いいものが「書ける」のだということを、どうぞお忘れなくね。
●著者によると、おそらく10年後のAIは大学センター試験の国語問題を満点解答するレベルの読解能力を獲得しているだろうと予測されるそうです。
文章生成能力については、研究の緒についたばかりで、数千文字程度の文章を書かせるアルゴリズムを作るのが精一杯で、ということは、人工知能に文章を書かせることはできるが創作させることは無理だということがわかった、のだそうです。
したがって、AIが人間の仕事を奪うというのは現段階では杞憂に過ぎず、たとえば定型文書を埋める文章など、文章フォーマットを作ってAIを活用するというように考えればいいでしょうとのこと。
それは何よりです、と私は安心しました。
が、こうしたテクノロジーの進歩により、必然的に、人々の仕事内容は変化していくでしょう。
ライターの仕事も、今後なにがしかの影響を受けると思います。
でもそれは、今に始まったことじゃありません。
これまでも、ずっとそうでした。
大事なのは実力を高めること、そして、時代の変化に臨機応変に適応することだと私は考えています。
●AIに膨大なデータを読み込ませ、データを「編集」するかたちで新しい作品を仕立てることは可能でしょう。
が、それを創作または創造といえるかという問題は残ります。
そこで行われる「編集」がクリエイティブなものならば、よいのです。
単なる「焼直し」ではつまらない。
●人間がどのように文章を紡ぎだしているのか、そのプロセスは脳科学者にもわからないことだらけなのだそうです。
本当に不思議なことですね。
●ひんなり骨董
『ひんなり骨董』菊地信義著
この本、気に入りました。
著者の菊地信義氏は装幀家で、この方のブックデザインがまた、いいんだなあ♪
本書では、信義さんが集めた骨董の白磁、伊万里、硝子、漆器、銀器、鉄物、セルロイドなどについて、ひんなりと語られています。
はんなり(京言葉で、上品で明るい感じ)ではなく、「ひんなり」という彼の造語感覚が素敵です。
そして、文章全体がすごい!
対象物の佇まいを本当にじっくり観てこそ書ける文だなあ、と感銘を受けました。
●一生サビない女になるシンプルな習慣
『一生サビない女になるシンプルな習慣』佐藤富雄著
マイナス10歳を実現する、成熟系美女のアンチエイジング
↑私はこの本から学び、実行していることがいくつもあります。
【100歳まで美しく生きるための生活習慣】
・1回45分、週4回以上を目標にウォーキングを実行
・低カロリー&高栄養の食事をして、老化をスローダウンする
↑特に、糖質の摂りすぎに要注意
↑朝食は抜きにして、毎日17時間のプチ断食
↑1日おきに「断食」すると、お腹ぺったんこ
↑適度な肉食は美肌づくりと長寿に効く
↑イワシ、サンマ、サバなどの青魚をせっせと食べる
↑食後のデザートがわりにチーズをひとつまみ
↑女性はいつでも大量のカルシウムが必要
↑食用油はオリーブオイルに切り替える
↑お酒を飲むなら赤ワイン
↑山芋、めかぶ、ゼラチンなどヌルヌルした食品で肌の保水力を強化
↑カラフル野菜と果物で活性酸素の毒に勝つ!
上記のほかにも、とてもいいことがたくさん書かれています。
たとえば──
「このメイク方法で10歳若くなる」「○○エステでシミ、シワが消える」といったような情報は、真の意味でのアンチエイジングとは異なります。
それは「若返り」というよりもむしろ「若作りのテクニック」です。
見た目が若ければいいというものではありません。
「美しく年をとる」とは何かといえば、それは成熟すること、つまりは内面の充実が顔にあらわれ出ることです。
自分が自分をどう思っているかが、表情に如実にあらわれます。
いくつになっても「今の自分が一番いい。これから、もっとよくなる」と心から思えることに価値があります。
成熟した大人の女性ならではの魅力的な表情を自分のものにしたいなら、エステ、マッサージ、顔の筋トレなどよりも、脳の「海馬」を刺激し、美と生命力の源となるホルモンの分泌を促すことのほうが、ほるかに効果を期待できます。具体的には、次の3つの方法があります。
1. これまで知る機会のなかったことを調べて学習する
2. 未だ見ぬ遠いところへ旅するプランを練る
3. こんなこともあんなこともしてみたい、と未来の夢を思い描く要するに、未来志向の人はいい表情になっていくのです。
殊に女性の場合は、初恋の人や昔つきあっていた彼のことを思い出して色々と考えているよりも、新しく見つけた素敵な男性のことを考え、この人とデートするならどんな服を着ていこう、どんな話をしよう、と想像をめぐらすと、海馬が活性化するとされています。
●まとめ
今回は、以下の3冊をご紹介しました。
『ひんなり骨董』菊地信義著
『一生サビない女になるシンプルな習慣』佐藤富雄著