皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか?
コロケーションとは「連語」のこと。
語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。
たとえば、「二股をかける」というのもコロケーションです。
「天秤にかける」「両天秤をかける」とも言います。
↑ここでちょっと注意してほしいのは、「天秤をかける」「両天秤にかける」という言い方はしないということです。
コロケーションを使う上でのルールはただ1つ、
「昔から言い習わしてきたとおりに従う」ということが大事なんですね。
また、本来の意味を知らずに、または誤解して、微妙にズレた言い方をすると、「あの人は教養がない。言葉の使い方を知らない」と笑われてしまいそう。
人前で恥をかくことのないようにしたいものです。
それには、耳で覚え、目で覚えるしかありません。
このブログでは、日常よく使われるコロケーションを紹介しています。
あなたがこれまで知らずにいた言い回しがきっと見つかるでしょう。
読めば読むほど、「そうか、こういうときはこう言えばいいのか〜」と新たな発見が増していくと思います。
コロケーションに親しんで言葉の世界を広げ、表現力を高めましょう。
その場の状況に応じて、コロケーションを適切に使っていけるとよいですね。
●「フ」で始まるコロケーション
腑に→落ちない=納得がいかない、ということ
腑の→抜けたよう=驚きや悲しみによって、気力をなくしてしまうことの形容
分(ぶ)が→ある=優勢である、有利であるということ
分(ぶ)が→いい・悪い=形勢が有利である・不利である、ということ
不意を→打つ
不意を→食う
不意を突かれる、とも言います
不意打ちを→食らう=予想もしないようなことをされる、出し抜けに攻撃される、ということ
「油断して隙を見せてしまったときに、いきなり何かをされる」という意味
風雲→急を告げる=今にも大きな変事が起こりそうな、不穏な情勢のこと
風紀を→乱す
風采が→上がらない=外見がしょぼくれていて、冴えないこと
不覚を→取る=油断したせいで失敗すること
深みが→ある
深みに→はまる
不興(ふきょう)を→買う=目上の人の機嫌を損ねること
不興(ふきょう)を→かこつ=面白くないことが自分の身に降りかかったことを嘆くこと
不遇(ふぐう)を→かこつ=ふさわしい地位や境遇を得られない不運を嘆くこと
伏線を→敷く=後の出来事を予想して、準備をすること
伏線を→張る=後に述べようとする筋の展開に備えて、それに関連する事柄を予め、それとなく述べておくこと
腹蔵の→ない=思っていることを隠さずに示すこと
袋叩きに→遭う
不首尾(ふしゅび)に→終わる=結果が思わしくないこと
布石(ふせき)を→打つ=将来に備え、前もって手筈を整えておくこと
符節(ふせつ)を→合わせる=二つの物事が、食い違わずにぴったりと一致すること
舞台に→立つ
二つと→ない
二つに→一つ
二股を→かける
天秤にかける、両天秤をかける、とも言います
二目(ふため)と→見られない=醜いもの、残酷なものなど、二度と見る気になれないものを形容する言葉
物議を→醸す
筆が→滑る=差し障りのあることを、うっかり書いてしまうこと
筆が→立つ=文章を書くのがうまいということ
筆に→任せる=思う存分に書きたいことを書くこと
筆を→入れる=文章や字句を訂正すること
筆を加える、とも言います
筆を→擱(お)く=文章を書き終えること
筆を→折る=文筆活動をやめること
筆を断つ、ペンを折る、とも言います
筆を→下ろす=新しい筆を初めて使うこと、または、文章を書き始めること
筆を→染める=初めて書く、または、執筆を開始すること
筆を→執る=絵や文章をかくこと
ペンを執る、とも言います
筆を→投げる=書くことを途中でやめる、という意味
筆を→走らせる=文章をすらすらと書くこと
筆を→揮(ふる)う=書画をかくこと
不手際を→演じる
不徳の→致すところ
懐が→暖かい
懐が→寂しい
懐が寒い、とも言います
懐が→深い
懐を→痛める=自分の金を使う、という意味
懐を→肥やす
私腹を肥やす、とも言います
舟が→座る=腰を落ち着けてしまって、動こうとしない様子のこと
舟を→漕ぐ=身体を前後に揺らして、居眠りをすること
不平を→鳴らす
不平を→並べる
不問に→付す=不審な点や不都合な点があっても、問いたださずにおくこと
プライドが→高い
誇り高い、とも言います
プライドを→傷つける
誇りを傷つける、とも言います
プライバシーを→侵す
武力に→訴える
篩(ふるい)に→かける=多くの中から、基準や条件にかなったものを選び出すこと
ブレーキが→利く
ブレーキに→なる
ブレーキを→かける
プレッシャーが→かかる
風呂を→建てる=風呂を沸かすこと
褌(ふんどし)を→締めてかかる=心を引き締めて事に当たること
●まとめの一言
日本語には数多くのコロケーションがあります。
言葉の文化が豊かだということですね。
不遇をかこつ
↑私はこの二つが微妙に異なることを今回初めて知りました。
最近はどうも物事がうまくいかないというときは、「不興をかこつ」というのが適切のようです。
「不遇をかこつ」というのは、物事がうまくいかず、自分にふさわしい地位や収入を得られないことを嘆いて言う言葉なのですね。
伏線を張る
↑この二つも微妙に違うのです。
前もって準備することを実際に行う場合は「伏線を敷く」。
それが文章上の場合のことならば、「伏線を張る」。
言葉の世界は奥が深いので、興味は尽きません。
言葉をたくさん知れば知るほど、話すのも書くのも自由自在になっていきます。
頭を整理しながら自分の思いや考えを的確に伝えられるので、いつも気分よく過ごせます。
仕事や人間関係にきっと良い影響があるでしょう!!
あなたにとって、「これ覚えておこう!!」と思うコロケーションはいくつありましたか?