この記事のひとつ手前の記事は、
「お雛様をいつまでも飾っておくと婚期を逃すって本当?」
という内容でした。
前記事→ひな祭り、お雛様をいつまでも飾っておくと婚期を逃すって本当?
という妄想的前提に立ち、遊び心で文体模写をしてみたのが本記事です。
前記事と本記事、併せてご笑覧いただけますなら幸いです。
さて、まずは文体模写について少しお話ししたいと思います。
文体模写、つまり他人の文章スタイルを真似て書くことは、筆力向上におおいに役立ちます。
ですからこれは、暮らしに役立つ歳時記情報をゲットしながら、ついでに言葉力アップグレードをはかるという、一粒で二度おいしい企画なんですね。
年間シリーズ企画としてお届けする予定で、今回はその第16回目、水野敬也氏バージョンをお届けします。
暮らしに役立つパスティーシュ(文体模写)
第16回・水野敬也氏バージョン
●『夢をかなえるゾウ』の水野敬也氏だったら、きっとこう書くに違いない・・・
「1年に5つの節句があるって、自分知っとるか〜」
ある日、家に帰ったらガネーシャがいた。
ガネーシャはヒンドゥー教の神様で、象の顔かたちをしている。
障害を取り去り、また財産をもたらすことから、事業開始と商業の神様、また学問の神として崇められている。
ガネーシャっていうのはインドの神様だと思っていたが、どうして日本にいるのだろう。
昨日、神社にお参りしたから、さっそくご利益が授けられたのだろうか。
でも、日本の神様じゃないはずだけどなあ。
などと、ぶつくさつぶやいていると、ガネーシャが突然、大きな声でこう叫んだ。
そしてガネーシャは、声を少し落として、こう続けた。
節目とは節句のことや。
七草粥を食べて1年の豊作と無病息災を願うわけやな。
桃の花が咲く時季だから「桃の節句」とも言いよる。
桃の花や菜の花、自然の生命力をもらって厄災を祓う。
あれ、うまいでえ。
自分もつくって食べてみい。
アサリは湯がたってから、ハマグリは水から、やで。
それに、いろいろ使い途のある貝なんやで。
ぴったりと合う貝は一組しかないさかい、貝合せっちゅう遊びにも使われるんや。
おめでたいしるしとして婚礼の汁物にも最高やで。
強い香気を放つ菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)を軒に吊すとええで。
菖蒲はえらい。
だから端午の節句は「菖蒲の節句」とも言うんやで。
中国に古くから伝わる「牽牛・織女星の伝説」をもとに、乞巧奠(きこうでん)っちゅう行事があったんやな。
そこに、日本古来の「棚機津女(たなばたなつめ)の信仰」が混ざり合って、今の七夕行事が完成したっちゅうわけや。
ま、詳しいことは7月になったらまた教えたる。
菊を観賞する宴をひらいて、菊に長寿を祈る日や。
これも9月近くなったら、詳しく教えたるでえ。
つまり、自分が成長できるっちゅうことやねん。
(つづく)